potalives R. ご挨拶


虹は見えるけれど、あるわけじゃない。ないのに、「さっきの、ニジ」「きれいだったねー」と話題にできる。一緒にいる人とも指差す場所は違うのだそうだ。
はっきり見える幽霊とかリアルな虚構と言ったテイで、ああ、演劇だな、と考えるのは僕だけかと思っていたらインドネシアでも演劇の始まりは虹だと聞いた。
昔は、人が少なかった。だから、みんな一人で生きていた。すると、話したいことや要らない物が貯まる。雨あがりに虹が立つと足元を観ようと方々から人が集まる。
そうして、偶然出会う。そこで物ゝ交換と、語り合いが始まり演劇が産まれた。


虹が劇なのか、虹の下に立った場が劇なのか、この物語を信じる人がたくさんいたことが劇なのか、あるいは偶然出会った人々が劇なのか、わからないけれども、そうやって劇は始まったように僕も感じます。


ということで、今年は、関東に虹を架けたいRAINBOW、potalives Rをお贈りします。ポタライブリターンズじゃないです。
演劇が始まった場所で、あるいは、始まる前へ、偶然の気高さと七色の繊細さで、出会いたいと思うのです。


岸井大輔